新規開拓の困難性

売上高の増加を図る場合、場合によっては「新規開拓」が奏功する場合もあるとは思いますが、一方で、反対給付(コスト)がかかるなぁと逡巡するケースも少なくないのではないでしょうか。

当たり前のことですが、事業を継続するには、工場・店舗や機械設備への投資あるいは修繕などの費用がかかります。

 

資金繰りをベースに考えるなら(意見の分かれるところですが)、フリーキャッシュフローをベースに判断すべきかもしれません。

 

フリーキャッシュフローは、簡易キャッシュフローと異なり、設備投資や修繕費用の他、割賦、保険積立金なども勘案します。

 

さらに、運転資金の問題もあります。

例えば、未収金が多い場合は要注意・・・現状の未収額、今期の圧縮見込み、未収金発生要因の構造など、みるべき項目は少なくありません。

 

在庫についても考慮していかなければなりません・・・業種・業態にもよりますが、月商の何倍もの在庫(帳簿上か実体か精査が必要ですが)を抱えていることもあります。

 

売上を伸ばす前段階で、自ら短期的に足元の資金繰りを固める手立てを講じるとともに、中・長期的な収益力向上を考えていかなくてはならないことは少なくありません。

 

トップライン向上、限界利益率改善、コスト削減等、様々な手立てを講じて「収益力」をあげる必要があるのですが、窮境に陥ると何が正解か見えなくなるケースがあります。

 

起死回生策として「新規開拓」を狙いたいという気持ちはわかりますが、実力に比して負担が大きすぎるケースも否めないのではないでしょうか。

 

ちなみに、トップライン向上は、下記の5つによって構成されています。

 

1.新規顧客・業者を増やす

2.流出顧客・業者を減らす

3.来店回数を増やす・リピート率を上げる

4.買上点数を増やす・受注数量を増やす

5.1点の単価を上げる・受注単価を上げる

 

ここで考えなくてはならないのは、営業力強化とは、これら全てに係わるものだということです。

さらにいえば、1.以外は、既存顧客との関係性であるということです(もっと厳密に言えば、既存顧客と良好な関係性を持つ方々の紹介を頂き、一定の信頼関係を持つ新規顧客をどう分類するか)

 

既存顧客が他に移ってしまった、お得意先だと思ってたのに付き合い程度しか買わなくなった、うちの店で買うのはA商品だけでB商品等は他で買う、安ければ買うよと言われ続けているなど、「自社の事業価値」は、どこにいってしまったんでしょうか。

 

これらトップライン向上の5項目は掛け算で現すことができるので、1つでも弱点があると、極端に弱くなってしまうのが特徴です。

 

それぞれの項目ごとに、具体的な対応策が不可欠なのですが、どうしても新規開拓に依存したくなる・・・しかしながら、もっともコストがかかるのが新規開拓なのです。

 

そこを考慮した上で、新規開拓の方策を検討していきたいものです。