競合分析について

今日は「競争戦略」について研修をしてほしいと依頼がありました。得意な分野ではありませんが、“ 競争 ” に巻き込まれて 「窮境」 に陥り苦しんでいる " 中小・小規模事業者 " が少なくないのが現状です。したがって、この分野を避けては通れないのがコンサルタント業の宿命なのかもしれません。

 

まず、言葉の意味を整理したいと思います。

 

“ 競争 ” は、「互いに同じ目的に向かって勝敗・優劣をきそい合うこと」で、“ 協調 ” に対立する概念とされます。

業界内で、ある事業者が目標達成に近づけば、それによって他の事業者が目標達成から遠ざかるような関係といわれます。

“ 競争 ” に似た言葉に、 “ 競走 ” という言葉がありますが、これは「一定の距離を走ってその速さをきそうこと」です。

“ 競争 ” は争いを生みだすのに比して、 “ 競走 ” は成長を促進するようなイメージがあるという意見も聞いたことがあります。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

次に、理論的な部分を整理してみます。

 

競争戦略は、ある市場において一定の地位を確保するための基本的な方針を明確にすることで、経営戦略のなかでは、事業レベルの戦略と位置づけられます。

一般的にはマイケル・ポーターの、" 5つの競争要因(ファイブ・フォース分析)" と "3つの基本戦略(コストリーダー、差別化、集中)" および、 “ 参入障壁 の分析と活用法 " をテーマにすることが少なくないかもしれません。

競争戦略においては、まずその事業の対象市場と競争相手を定義したうえで、市場における自社のポジションを明確にします。

そして競争するのか競争を避けるのか、競争するとしたらどのようにして優位性を確保するのかを検討していくわけですが、結果として対象市場と競争相手を再定義し、競争の仕方の基本政策を決定していくことにつながるわけです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

話しは変わりますが、競争についての体験談を少しだけさせて頂きます。

30代前半の頃、健康をコンセプトとした " 新たなカテゴリーの新商品 " を発売して市場を構築しようとするプロジェクト・チームで活動していました。

 

プロジェクト・メンバーは、新規開拓営業のプロ集団でしたから、約3年後には全国に販売網が構築されました。

しかしながら、様々な落とし穴が待ち構えていました。

 

事業開始時は、同じ商品を扱う企業が少なかったので、ポーターの理論でいうところの「同業者間の競争」は殆どありませんでした。

しかしながら、健康をコンセプトとするカテゴリーの異なる商品を販売する企業が、同様の効果・効用を謳っており「代替品の脅威」が顕在化してきました。

次の段階では「新規参入の脅威」、成長市場に参入しようとする企業が、増加し始めました。

一方で、仕入価格を上げようとする「売り手の交渉力」、競合が激しくなったことにより値引きを求めようとする「買い手の交渉力」が強まっていったのです。

最後には、市場は「同業者間の競争」が激しくなり、レッド・オーシャンになりました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

市場環境は、常に変化しています。

競争は、一歩間違えると、取り返しのつかないことになる分野と言って過言ではないような気がします。

経営診断には競合分析がつきものですが、分析を行うときは、" 過去の競争環境 " 、" 現在の競争環境 " を分析し、その上で " 将来の競争環境 " を予測していくことが求められます。

 

また、競争戦略を主軸におくと、どうしても「戦いの経営」になりがちです。

その対義語は「愛の経営」ではないでしょうか。

究極的には、「愛を実践する経営」に方向転換することが大切なのかもしれません。