健全性という指標

皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。

コンサルティングオフィス エル・アール・エー 代表、中小企業診断士の菅野です。

 

このコーナーでは、売上高1億~5億円の企業が、収益を10%アップさせ、キャッシュフローを10%増やし、健全性を高めるための予実管理の視点についてお伝えしています。

 

さて、今日のテーマは、「健全性という指標」についてです。

ぜひ、お付き合いください。


新型コロナウィルスのワクチン接種も始まりましたが、まだまだ予断を許さない状況にあります。

売上高が激減し、収益力が低下して、深刻な状況にあると思います。

 

一方で、現時点における収益性が低下しても、嵐が通り過ぎるまで身を潜め、次の展開を模索している方も少なくないのではないでしょうか。

 

このような方々の共通項は、例えば今回のようなリスクは来るべくして来るものとして捉え、日頃より自社の健全性に係る財務指標を、丹念に確認しておられたのではないかと思うのです。

 

お気づきだとは思いますが、今回のような事態では、財務指標のうち「収益性」「効率性」「成長性」を示す指標よりも、「健全性」を示す指標が、危機管理に役立っています。

 

理論的でなく現場感覚で申し上げることをお許し頂きたいのですが、健全性は、短期的には「流動比率」「当座比率」「現金比率」で確認できますし、長期的には「固定比率(固定資産自己資本比率)」で確認できます。

 

今回のような状況では、当座比率と現金比率が高い場合、比較的不安要素が少ないです。

流動比率が高いのもいいのですが、一方で、不良在庫の有無や現金化までの時間が気になるものです。

 

長期的には、固定資産に投下した資金を自己資金で賄っているかどうかを見るわけですが、この指標(固定比率)が100%以下だと、一般的に健全性の合格ラインです。

 

一方で、固定比率を気にしてしまうと、せっかくのビジネスチャンスを逃すことになるじゃないか、設備の更新ができなかったら仕事にならないじゃないか、これまでの調達の仕組みを根本から変えなくちゃいけないじゃないかという声も聞こえてきそうですし、現実的にはなかなか難しいかもしれません。

 

それでも、借入金に依存しすぎない(できれば自己資本の範囲、PL的には減価償却費の範囲)で投資をするという考え方は、自社の健全性を高めるポイントとなると思います。

 

もちろん他の指標、収益性や効率性、成長性も大切な指標だと思います。

でも、それは今回のようなリスクが顕在化していない環境において・・・かもしれません。

 

新型コロナもいずれ終息すると思いますが、一方で、いつ、次のリスクが発生するかわかりません。

なので今後、これまで以上に「健全性」を意識することが大切なのかもしれないと感じています。

 

そして、コロナ前「収益性」「効率性」「生産性」などに強みがあったなら、今の市場とは異なる市場で、その強みを再現できる「新たな市場を創造する」ことも選択肢だと思います。

 

その場合、「自社の強み(独自性、優位性、新規性、その他ソフトな経営資源等、戦わない経営力)」を活かして新たな市場を創造し、時代に合った仕組み化を進めていきたいと思います。


今日はここまでとさせていただきます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

皆さまのご健康と、ご家族、社員さま、縁するすべての方々のお幸せをお祈りいたします。