キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)という指標

皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。

 

コンサルティングオフィス エル・アール・エー 代表、中小企業診断士の菅野です。

 

今日のテーマは、「キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)という指標」です。

 

ぜひ、お付き合いください。


さて、キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは何を表す指標なのでしょうか。

 

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC:Cash Conversion Cycleの略)とは、仕入債務から売上債権回収までの日数のことです。

 

一般的な企業では、まずお金を支払って商品を仕入れ、その商品を販売することで売上を獲得するため、仕入(支払)から販売(回収)までの期間は、手元のお金が減っている状態になります。

 

キャッシュ→商品仕入→仕入代金支払→販売→売掛金回収の流れで、企業にはキャッシュが流れてくる訳ですが、この期間(CCC)が短いほど資金繰りは改善されるということになります。

 

では、CCCはどのようにして算出するのでしょうか。

 

CCCを求める計算式は「売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数」です。

 

例:A社のCCC(基準日2021年3月末時点)

 

売上債権:15,000

棚卸資産:5,000

仕入債務:4,000

売  上  高:80,000

売上原価:40,000 (単位:千円)

 

この場合、それぞれの日数は以下のように算出します。

 

売上債権回転日数=15,000/80,000×365=68.4日

棚卸資産回転日数=5,000/40,000×365=45.6日

仕入債務回転日数=3,000/40,000×365=27.4日

 

したがって、CCCは以下のように求められます。

 

・CCC=68.4+45.6-27.4=86.6日



CCCが長い場合、この期間の資金は借入などで補わなければならず資金繰りを圧迫します。

対策としては、一定期間「予実管理指標」として調査・分析し、改善目標を立てることが有効です。

 

例えば、目標を売上債権回転日数60日、棚卸資産回転日数30日、仕入債務回転日数30日として、その目標を達成した場合のCCCは60日となり、キャッシュ化の速度が26.6日速まることになります。

(注)季節変動や特殊事情を考慮

 

厳しい競争環境に晒される日々ですが、こうした細かい部分をチェックして、事前に対策を講じておくことも大切かもしれません。

 

日頃の地道な努力は、いわゆる「攻め時」において、計画の実現可能性を高めるための一助になるのではないでしょうか。


今日はここまでとさせていただきます。

 

最後までお読み下さり、ありがとうございました。