皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。
中小企業診断士の菅野です。
今日のテーマは、「新型コロナの余波」です。
ぜひ、お付き合いください。
コロナ禍で経済が停滞している現在、生活必需品の価格、産業用資材や燃料価格が上昇するという今の状況は、スタグフレーションに該当するという声があがっているようです。
スタグフレーションは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象です。
ちなみに、諸説はありますが、戦後日本では「スタグフレーション危機」は数回起きているという見解があるようです。その一例をみてみましょう。
第1次オイルショック(1973年10月~1974年8月)
※第1次オイルショック前4.9%だった消費者物価指数(前年比)は、1973年は11.7%、74年には23.2%まで急伸。
※工業生産の停滞が起き石油の需要にはブレーキがかかったが、生産縮小から失業増大を招いた。
↓
第2次オイルショック(1978年10月~1982年4月)
※多くの先進諸国が第2次オイルショックでスタグフレーションに陥る中、日本の影響は軽微に留まった。
※産業の合理化や、第1次オイルショックでの調整により生産・雇用の余力があったことが原因といわれる。
↓
リーマンショック(2008年~2010年)
※2008年、サブプライムローン問題に端を発した米国不景気から資金が原油や穀物市場に流れて価格が高騰した。
※各種コスト高から物価が上昇し、日本がスタグフレーションに陥るおそれがあるとされた。
※その後、世界景気の急速な後退などを背景に原油・穀物価格は2008年後半から急速に下落した。
※内外の需要の落ち込みと輸出の急減で個人消費や消費者物価の下落が顕著となり、結局はデフレーションにとどまった。
さて、仮に「スタグフレーション」がやってきたら、自社はどのような影響を受けるでしょう。
国が良い経済政策を打ち出してくれることを期待する一方で、自助努力でできることは何かについて真剣に検討するのではないでしょうか。
では、スタグフレーションが来ても倒れない企業とはどんな企業でしょうか・・・私的な意見で大変恐縮ですが、大きく2点に集約されると思います。
1.基本に忠実な企業
- 倒れないための第1条件は「これまで築いてきた事業の健全性」かもしれません。まずは、嵐が通り過ぎるのを待つだけの財務的体力があるかどうかが問われると思います。
- 日頃から有事に備えてきた、質素倹約を心がけてきた、無理な投資はしなかった、環境変化に対応して自助努力を続けてきたなど、基本に忠実な企業はそう簡単に倒れないと思います。
- 奇策で窮地を凌ぐ手法も無きにしも非ずですが、小手先の手法で長続きした試しがないことは歴史が証明しています。
2.期待を裏切らない企業
- 商品力、技術力、マネジメント力、顧客価値創造・提供力等、独自の強みがあり、業界や地域にとって「この企業は必要不可欠」と言われる企業はそう簡単には倒れないと思います。
- 日頃より関係者との信頼関係を築き、自社のノウハウを積み重ね、期待に応える成果をあげている企業は重宝されます。
- 自社が進むべき方向性(ある方は「“サムシンググレート“ が示す方向性」と言っていましたが…)を踏まえ、中・長期的な見通し(科学的に整理)を立て、取引先や社会に対して事業(プロ=本業)を通じて貢献する姿勢が重要だと思います。
恐らく、そういう企業は「ブレる」ことなく、窮地を乗り切っていけるような気がします。
基本的なことは変わらないものですね。
今日はここまでにさせて頂きます。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。