皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。
中小企業診断士の菅野です。
今日のテーマは、「良い土壌を作る」です。
ぜひ、お付き合いください。
ここでいう「良い土壌」とは、企業風土あるいは企業文化を指しています。
企業風土とは、「そこで働く人の気質や文化に影響を及ぼす、その企業特有の環境」のことです。
ただ、厳密な定義があるわけではなく、実際に使われる場合は環境だけでなく、それによって醸成された社員の行動様式や価値観、暗黙のルールなどを含めて指すことが多いようです。
企業風土と似た言葉として、「企業文化」があります。
企業風土と混同されることも多いのですが、企業風土が環境によって自然に形成されるものであるのに対し、企業文化は企業理念に則って導入された制度や、社員に対して行われる人材育成によって形作られた結果としての価値観を指します。
つまり、企業風土のほうがより自然発生的でコントロールが難しく、企業文化は企業の理念や戦略に沿ってある程度デザインが可能なものであると言えます。
話しは変わりますが、法政大学大学院教授 坂本光司氏の著書「会社の偏差値」では、「本当にいい会社をはかるモノサシは、規模や業績、知名度ではありません」として、「強くて愛される会社になるための100の指標」を掲げています。
その冒頭には、収益力やブランド力など、経営力が強い企業が「いい企業」とが限らない、どんなに経営力が優れていても、関係する人々の幸せの追求・実現という、経営の使命と目的をおろそかにしている企業が、「いい企業」であるはずはないという言葉が出てきます。
例えば、業績が悪化すると希望退職者を募る企業、社員同士の競争を煽る企業、劣悪な就業環境の中で社員に高い生産性を求める企業、社長の報酬と比べて社員の給与があまりにも低い企業、こういう企業が、業種や規模を問わずたくさんある・・・これらの企業は、どんなに業績がよくても、どんなに有名な企業でも、「いい企業」とはいえない・・・こんな経営をしていたら、社員や家族をはじめとする、その企業に関係する人々が、幸せを感じることなどありえない・・・と続けています。
この本を読んだとき、聖書に書かれている一節を思い出しました。
それは、「種を蒔く人のたとえ」というお話で、以下のような内容です。
種を蒔く人が種蒔きに出て行った。ある種は道端に落ちて鳥についばまれ、ほかの種は石だらけで土が少ない所に落ち、すぐに芽を出したが陽に焼かれて枯れてしまう。
ほかの種は茨の中に落ちたので、茨にふさがれて実を結ばなかった。
その中で、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは30倍、あるものは60倍、あるものは100倍にもなった。
このたとえ話から、種が落ちる場所、即ち「土壌」の良し悪しによって、「種」が成長して「実」を結ぶかどうかが決まってしまうことがわかります。
では、会社にとって、あるいはそこで働く人にとっての「土壌」とはいったい何でしょうか。
私はこれを「会社の風土や文化」だと考えています。
つまり、土壌を「会社の風土や文化」、種を「社員」、実を「目的の達成」として考えると、このたとえ話がよくわかるような気がします。
組織風土や文化が良くないと、社員は使命感を持って働くことができません。
なので、生活費を稼ぐために割り切って働くようになり、中には、人生の半分を占める「職業人生」を、辛く苦しく味気ないものとして捉える人もいるかもしれません。
一方で、良い風土・文化を持つ企業ではどうでしょう。
良い風土や文化を持つ企業は、社員が生き生きと使命感をもって働くことができるようになり、豊かな職業人生を歩むことができるようになります。
また、社員が生き生きと働くようになれば、そのような風土や文化に惹かれた良い人材が集まりますし、会社も良くなっていくのは明らかです。
結果として、たくさんの実を結ぶと考えることができるのではないかと思います。
しかしながら、企業風土や文化は一朝一夕に出来るものではありません。
良い組織風土や文化を持つ企業は、喜んでもらえる経営、お天道様に顔向けできる経営というものを行っているように感じます。
また、何と言いましょうか、ねばならないとして行っているのか、そうしたいから行っているのかは別として、社内に「『徳を積む』ような考え方や行動が当たり前」という意識が浸透しているように感じます。
また、良い風土や文化を持つ企業は、「健康な企業」が多いと思います。
日頃より「予防医療」に努め、病気にならないようにしていますから、多少景気が悪くなっても大病を患うこともないようです。
さらに、いい企業は、例外なくといっていいほど社員のモチベーションが高いという特徴があります・・・そこには、和気あいあいと仕事をしながらも、単なる仲良しクラブではなく、誰かのお役に立とうと使命感を持って働いている姿があります。
そしてそれは、経営者の努力というよりも、何と言いましょうか・・・あえて言えば「想い」かもしれません。誰かさんに喜ばれるような想いを描き、言葉にし、実践している」ということが多いような気がします。
良い土壌をつくるのは一朝一夕にはいきませんが、変えなければならないのであれば、変える勇気を持つことも必要ではないでしょうか。
今日はここまでとさせて頂きます。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。