補助事業を活用するときの留意点

皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。

中小企業診断士の菅野です。

今日のテーマは、「補助事業を活用するときの留意点」です。

ぜひ、お付き合いください。


補助事業に申請するとき、採択されるかどうかは最大の関心ごとだと思います。

採択発表があって自社名が公表された!補助事業事務局から採択通知が来た!となりますと、まずは「嬉しい」気持ちになると思いますし、それはそれで自然なことだと思います。

 

しかしながら、採択された後は、計画にしたがって補助事業を遂行していく必要があります。

当たり前といえば当たり前ですが、補助事業を活用する場合に知っておくべきことがいくつかあります。

その中のひとつが、補助金適正化法(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)です。

 

補助金適正化法は、適切に補助事業を運営するための法律で、その内容は、第1条・第2条の目的や定義から始まり補助金の交付の申請や交付決定、補助事業の遂行、実績報告、決定の取り消しや返還、罰則など多岐にわたります。

 

まず、この法律の目的をみてみましょう。

目的は、本則の「第一章 総則」の「第一条」に記載されており、その条文は以下の通りです。

 

「この法律は、補助金等の交付の申請、決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算の執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする。」

 

まず考えなくてはならないのが、補助金等は、私たちが支払っている税金やその他貴重な財源でまかなわれていることだと思います。

 

そうしますと、順法精神(コンプライアンス)の大切さを実感できると思いますし、補助事業を適切に遂行できるのではないでしょうか。

 

特に、問題が生じがちなのは「補助金のほかの用途へ使用(目的外使用)」や「補助金により取得した財産を承諾なしに、譲渡・交換・貸し付けしたり、担保に供したりする(財産処分)」等かもしれません。

 

補助金の交付決定の内容や条件に違反した場合は、交付決定が取り消され(同法第17条)、すでに補助金の交付を受けている場合には返還しなければならない(同法第18条)ことになるので注意が必要です。

 

また、補助金受給後、事情により変更が生じてその補助事業を継続できなくなった場合も交付決定の全部または一部が取り消され(同法第10条)、返還を求められることがあります。

 

さらに、「収益納付」についても確認が必要です。

 

同法 第七条 2には、「各省各庁の長は、補助事業等の完了により当該補助事業者等に相当の収益が生ずると認められる場合においては、当該補助金等の交付の目的に反しない場合に限り、その交付した補助金等の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべき旨の条件を附することができる。」とあります。

 

いずれにしても、該当する補助金の「交付規定」等を十分に確認しておくことが必要であり、変更が生じた場合や収益納付が発生する場合は、ありのままを事務局に相談し、打ち合わせしながら進めるといった手続きが大切です。

 

補助事業は、国や地方公共団体との共同作業とも言え、「補助事業を通じて社会に貢献する」といった考え方が欠かせないものです。

 

また、補助事業には、補助事業を通じて自社の課題を解決し事業を発展させ、従業員とその家族の生活をよくすることや地域の経済社会発展に貢献することなど、「三方良しの考え方」が不可欠だと思います。

 

その考え方を関係者間で共有することで、補助事業の効果を高めることにつながるのではないでしょうか。

 

今日はここまでとさせて頂きます。

 

最後までお読み下さり、ありがとうございました。