パワーか、フォースか

皆さま、こんにちは、そして、こんばんは。

中小企業診断士の菅野です。

今日のテーマは、「パワーか、フォースか」です。

ぜひ、お付き合いください。


さて、表題の「パワーか、フォースか」についてですが、既にお読みなった方はわかると思うのですが、これは、2004年9月に初版が発行された「本」の名前です。

 

著者はデヴィッド・R・ホーキンズ博士、訳はエハン・デラヴィ&愛知ソニア、出版社は三五館で、本の「そで」には、船井総研創始者 船井幸雄氏の推薦文が載せられています。

 

この本は、「人間のレベルを図る科学」という副題があります。この本によると、人間の意識レベルは1~1,000まであり、その意識レベルは17に分類されています。

 

そして、「パワー」と「フォース」は、意識レベル200を分岐点として、次のように説明されます。

  • 200以下には、恐怖、欲望、怒り、プライドなど8項目あり、これらは「生きていく上で破壊的(フォース)」な意識レベルである。
  • 一方、意識レベル200を超えた全てのレベル、勇気、意欲、受容、愛など9項目あり、これらは「建設的なパワー(パワー)」である。
  • なお、数値は十進数ではなく、対数を表しているので、レベル500はレベル250の二倍を意味するのではなく、10の500乗のパワーを示しています。

この本を読んで感じたのは、例えば会社の場合、これらは社風となって、周囲に影響を与えているという点でした。

 

具体的な例をみてみましょう。

 

例えば、フォースの典型的な例として、恐怖と欲望で社員をコントロールし、利益を上げている会社があげられます。あるいは、契約や約束を守らない会社、役員報酬に比して従業員給与があまりにも低い会社、平気で社員をリストラする会社、奪うことを主眼とする会社などもフォースの段階にある会社と言えるでしょう。

 

一方、パワーの例としては、社員が希望をもって仕事ができるように体制を整える会社、円満な風土を持つ会社、社会的な課題解決を使命とする会社、高度な専門性をもって社会に貢献する会社など、様々な会社が存在しています。

 

同書では、ちょうど200が意識が変わる臨界点を示すといいます。さらに、500というレベルは、大きな意識の飛躍がみられる臨界点であるとし、以下のように説明しています。

  • 500を超えてくると、「愛」が動機となっているので、全ての活動が色づき始める。
  • 500代上部では、それぞれの分野で社会の規範となり、深い施策によって人類のために新しいパラダイムを創造するリーダーが現れる。
  • 500代の中部では、スピリチャルな経験を通じてそこに深い意味を見出し、精神的な追及に没頭するようになる。このレベルの意識を「ビジョン」と表現することができ、そのビジョンを社会全体を向上させることにフォーカスさせる。

経営支援の現場では、高い精神性を社内に浸透させようとする経営者に出会うことがあります。そして、そのような経営者が経営する会社は、長寿企業となっていくのだろうなと感じることが少なくないのが現状です。


【参考:意識レベルのマップ】

(「パワーか、フォースか」より引用して作成)

話は変わりますが、高い意識レベルで経営している会社にも段階があります。

 

例えば、意識レベル310の「受容」は、「すべてのものを受け容れる」という意味ですが、この意識レベルになると、世の中に起きたことすべてを受け容れるとともに「自分の責任だ」と思うことができるといいます。

 

日本のドラッカーとも呼ばれ、数多くの著名な経営者に影響を与えた伝説の経営コンサルタント、故・一倉定氏は、「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任だ」という言葉を残しています。

 

赤字企業の立て直しを手掛けてきた一倉氏が嫌ったのは、業績が悪い理由を社員のせいにしたり、景気や取引先など外部環境のせいにしたりする経営者だったといいます。そしてこのような経営者に対しては、烈火のごとく怒り、時にはモノを投げつけるようなことさえあったといいます。

 

この話を聞くと、社長自らが「受容」の意識レベルまで到達していないとこういう考え方はできないんだろうなと思います。

 

話は変わりますが、会社はよく「社会の公器」と言われることがあります。即ち、自社だけでなく社員の家族や取引先、地域全体や日本の経済社会への貢献を求められているということです。

 

これらを実現するには、意識レベルが高い状態で経営することがいかに大事であるか・・・そのためには、意識を変える勇気を持ち、高い意識レベルを持てる環境に身を置いたり、高い意識レベルの人と交流したりして、意識レベルをあげていくことが大切であると感じることがあります。


現在、高い意識レベルで事業を推進し、小さくてもキラリと光る企業さんは少なくありません。

このような企業さんで働く社員さんは、生き生きと仕事をしています。

 

そのような企業は、「採用難」とか「人出不足」とは無縁のようです。

 

ちなみに「知的資産経営」では、金銭や設備など物質的な資産より、目に見えにくい資産(経営理念や人的資産など)を大事にしています。その意味でも、意識レベルは重要なものなのかもしれません。

 

今日はここまでとさせていただきます。

最後までお読み下さり、ありがとうございました。